夜、ベッドに入っても頭の中で考えごとが止まらず、眠れないことはありませんか?
誰かの言葉が引っかかっていたり、まだ起きていない未来のことに不安を感じていたり。
「そんなこと気にしなくていい」と分かっていても、考えることをやめられない・・・
私自身、そんな“思考のループ”に陥ってしまうことがよくありました。
そんなときに出会ったのが、ジョセフ・グエンさんの『考えすぎない練習』です。
読み進めるうちに、少しずつ肩の力が抜けていくような感覚がありました。
今回は、心が少し疲れてしまったときにぜひ読んでいただきたいこの本をご紹介します。
【本の基本情報】
★書名:考えすぎない練習
★著者:ジョセフ・グエン
★出版社:ディスカバー・トゥエンティワン
★発売:2024年
★ジャンル:自己啓発・マインドフルネス
1.読んでよかったポイント3選
1.つらい原因は「考えること」にある
本書によると、私たちは、現実の世界ではなく、「考え」によってつくられた世界で生きているようです。
例えば、全く同じ仕事をしているAさんとBさんがいるとします。
Aさんにとってはその仕事が理想の仕事かもしれませんが、
Bさんにとっては生き地獄のような仕事かもしれません。
二人の違いは、その仕事についての考え方だけであり、その考え方が感情を決定しているのです。
もし、「自分の仕事が嫌いだ」という考えを持たなければ、不思議と心が軽くなってくるはずです。
これが、現実の世界ではなく、「考え」の世界に生きているということです。
現実に対する自分の考えを手放すだけで、現実の見え方は変わり感情も変えることができます。
私自身も、今の仕事に対して「やりがいがなくてつまらない」とずっと考えていましたが、その考えを手放してみると、不思議なことにその日の仕事は苦痛を感じずに終えることができました。
“苦しいから考えてしまう”のではなく、 “考えてしまうから苦しい”ということを実際に体験することができました。
「考えを手放すだけ」というとても簡単な方法で苦しみから解放される感覚を、みなさんも体験してみてはどうでしょうか。
2.考えすぎるのは「性格」ではなく「脳のクセ」だった
私は、過去や未来のことをネガティブに考えてしまうのは、自分に自信がないからだと思っていました。
しかし本書では、私たちが考えすぎてしまうのは、脳の働きによるものだといいます。
「Chapter03 なぜ私たちは考えてしまうのか (p.27)」を要約すると、
人間は、ただ生き延びるためだけに、理解力や分析力、思考力といった高度な能力を身につけました。
そのため、頭脳の働きは“安全と生存”のみに関係し、充実感や喜びとは無関係だそうです。
生存と安全が確保されている現代でも、頭脳の働きは健全です。
私たちの頭脳は、過去の経験や記憶に基づいて、あらゆることを危険とみなしてしまいます。
考えすぎてしまうのは、性格や自信のなさによるものではなく、人間の脳の本来の働きだったのです。
この事実を知ってからは、自分が考えすぎていると感じた時、
「今日もしっかり私の頭脳働いてるな~、でも死なないから考えなくて大丈夫だよ」
と、自分を落ち着かせることができるようになりました。
みなさんも、考えすぎてしまうのは頭脳が働きすぎているだけだと思えば、気が楽になるかもしれません。
3.考えないようにするには、ただ意識するだけ
本書では、考えないようにするためには、何の労力も必要としないといいます。
ただ、「自分が考えていることが、苦しみの原因であること」を意識するだけで、自然と現実をありのまま受け入れられるようになり、思考を落ち着かせてやり過ごすことができるようになります。
私はこれまで、つらい現実を変えるにはそれなりの努力が必要と思っていましたが、
本当は、少し考えることを抑えるだけでよかったのです。
この方法を実践するだけで、ネガティブな感情になってしまうことがかなり少なくなったように思います。
この考え方を知っているか知らないか。
その小さな違いが、感情との向き合い方を大きく変えてくれます。
みなさんもぜひ実践してみてください。
2.印象に残った言葉
私たちには常に、明快さや愛、喜び、安らぎ、充実感という無限の泉があります。
このことを思い出すにはほんの一瞬あればいいのです。「Chapter.07 どうすれば考えるのをやめられるか?(p.58)」
この言葉に、ハッとさせられました。
私たちはどんなときも幸せな感情を持っているのに、考えすぎてしまうことでその幸せな感情を心の奥に隠してしまっているのです。
過去に戻ってあの時の自分に教えてあげたいですね。
あなたも私も、今この瞬間からはもう幸せな感情を見失わずに生きていくことができるはずです。
苦しい時はいつでも深呼吸して、考えていることを手放してみましょう。
3.こんな方におすすめ
- つい考えすぎてしまう方
- 未来の不安や過去の後悔で心がいっぱいな方
- 心を静かに整えたい方
- 「ありのままの自分」を少しでも受け入れてみたいと思っている方
4.まとめ
『考えすぎない練習』は、今すぐ劇的に変わるというよりも、じわじわと自分の中に沁みていくような本です。
読み終えたあと、不思議と静かな安心感に包まれました。
「このままでいいんだ」「ちゃんと立ち止まっていいんだ」
そう思える時間をくれた、やさしい一冊です。
もし今、心が疲れていたり、頭の中がごちゃごちゃしている方がいたら、ぜひこの本を手に取ってみてください。
読んだ感想などがあれば、ぜひコメントやSNSで教えていただけたら嬉しいです!
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